蛍光灯からLEDへの交換を検討中の方へ。
照明器具ごと交換する方法と、既存器具を活かしてバイパス工事を行う方法、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。費用、工事内容、注意点など、あなたの状況に最適な選択ができるよう、プロの視点で分かりやすく比較します。
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蛍光灯からLEDへ!選べる2つの工事方法
蛍光灯をLEDに交換する際には、大きく分けて2つの工事方法があります。
① LED照明器具への交換
既存の蛍光灯器具をすべて取り外し、新しくLED照明器具を取り付ける方法。

② 安定器バイパス
既存の蛍光灯器具を活かし、安定器をバイパスする工事を行った上で、LEDランプを取り付ける方法。

「どちらの工事方法が優れているの?」
「自分の場合は、どちらを選べばいいの?」
そんな疑問をお持ちの方も多いでしょう。
このページでは、LED器具交換とバイパス工事、それぞれのメリット・デメリットを詳しく比較し、あなたに合った工事方法を判断するためのポイントを解説します。
LED照明器具への交換:メリット・デメリット
まずは、既存の蛍光灯器具を丸ごと新しいLED照明器具に交換する方法について、メリットとデメリットを解説します。

メリット
全て新品なので長く安全に使用できる
LED照明器具が全て新品となるため、長期間安心して使用できます。また、LEDライトバーの寿命も長いため、交換頻度を抑えられます。
高い安全性
バイパス工事のように既存の器具を全く使用しないので、ソケットの破損や接触不良による事故リスクを回避でき、安全性が高まります。
省エネ効果が高い
最新のLED照明器具は、従来の蛍光灯器具と比べて、大幅に消費電力が削減されていますので、電気代の大幅な節約に繋がります。
デメリット
初期費用が高額
LED照明器具本体、交換工事費、蛍光灯照明器具本体の運搬と処分費がかかるため、バイパス工事と比べて初期費用が高額となります。
一般的な作業環境における、40W 2灯の直付け直管蛍光灯をLEDへ切り替える場合の2通りの工事費用総額をご紹介します。
※台数が多いほど工事費用は割安となります。
※記載の価格にはLED照明器具、交換費用、撤去処分費を含みます。
※工事費用は税込。
40W 2灯の直付け蛍光灯器具をLED化する工事費用の総額の目安
工事方法 | LED器具交換 | 安定器バイパス工事 |
---|---|---|
1台あたりの費用 | 約22,000円 | 約16,500円 |
10台あたりの費用 | 約165,000円 | 約121,000円 |

安定器バイパス工事:メリット・デメリット
既存の蛍光灯器具を活用し、安定器をバイパスしてLEDランプを取り付ける方法のメリット・デメリットを解説します。

メリット
初期費用を抑えられる
既存の蛍光灯器具をそのまま使うため、交換部品はLEDランプのみとなり、工事費用も抑えることができます。特に、埋込型器具や高所作業など、交換に手間がかかる場合ほど、バイパス工事は器具交換に比べて費用面でのメリットが大きくなります。
また、天井埋込型の器具の場合、適合するLED照明器具が見つからないこともあり、その場合は器具全体の交換に高額な費用がかかってしまいます。このように、特殊な条件下では、バイパス工事が唯一の選択肢となるケースもあります。
工期が短い
既存の照明器具本体はそのまま使用するため、交換工事が不要となり、作業時間を短縮できます。
デメリット
器具の劣化リスク
長期間使用された蛍光灯器具は、ソケットをはじめとする各部品の劣化が懸念されます。また、器具内の電線も熱によって被覆が劣化していることがあり、注意が必要です。そのまま使用し続けると、将来的にソケット破損によるLEDランプの落下や、接触不良による不点灯といったトラブルが発生するリスクがあります。
国内大手照明メーカーからは販売されていない
現在、パナソニックや東芝などの大手照明メーカーからは、既存の蛍光灯器具に直接取り付け可能なLED直管ランプは販売されていません。これらのメーカーが提供するLED直管ランプは、蛍光灯とは異なる口金を採用しているため、設置できません。
蛍光灯器具に取り付け可能なG13口金のLED直管ランプは、コイズミ照明やオーデリックなどの国内メーカーから販売されている製品があります。

【比較表】LED器具交換 vs バイパス工事
項目 | LED器具交換 | 安定器バイパス工事 |
---|---|---|
初期費用 | 高い | 安い |
工事時間 | 長い | 短い |
安全性 | 高い | 器具の状態による |
省エネ効果 | 高い | 高い |
デザイン | 豊富 | 既存器具に依存 |
器具の寿命 | 長い | 既存器具に依存 |
ランプの選択肢 | 豊富 | 制限される場合がある |
こんな方におすすめ! | 初期費用はかかっても、 安全性、省エネ効果、デザイン性を重視する方 |
初期費用を抑えて、手軽にLED化したい方 |
最適なのはどっち?工事方法を選ぶポイント
LED器具交換とバイパス工事、どちらを選ぶべきかは、状況と何を重視するかによって異なります。
LED器具交換がおすすめの方
- 築年数が古い建物で、既存の蛍光灯器具がかなり劣化している
- 安全性や信頼性を最優先したい
- 最新のLED照明器具のデザインや機能にこだわりたい
- 長期的な省エネ効果を重視する
安定器バイパス工事がおすすめの方
- 初期費用をできるだけ抑えたい
- 既存の蛍光灯器具の状態が比較的良好な場合
- 最新のLED照明器具のデザインや機能にこだわりたい
- 工事を短時間で終わらせたい
まとめ
専門業者に相談して、最適な工事方法を選びましょう
LED器具交換と安定器バイパス工事、どちらにもメリットとデメリットがあります。
どちらの工事方法が適しているかは、建物の築年数、既存の蛍光灯器具の状態、予算、何を重視するかなど、様々な要素を考慮して判断する必要があります。
「自分の場合は、どちらが良いのか分からない…」
そんな時は電気工事業者へ相談してみましょう。
LED照明への切り替えには、多くのメリットがある一方で、注意すべき点もいくつか存在します。『LED照明全般に関する基本情報』については、『蛍光灯からLED照明への切り替えの基本情報』をご覧ください。

電気工事施行管理20年の経験
保有資格:第一種電気工事士、1級電気施行管理技士。
電気工事の経験20年、独立後は自力で作成したホームページ集客のみで法人設立後も3年間黒字を維持。