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【直管蛍光灯LED化】
交換費用・工事・注意点をプロが解説

事務所や店舗の電気代、高いと感じていませんか?

直管蛍光灯をLEDに交換するだけで、電気代を大幅に削減できる可能性があります。

このページでは、直管蛍光灯をLEDに交換する3つの方法、費用相場、メリット・デメリット、注意点など、プロの電気工事士が詳しく解説します。LED化に興味はあるけど、何から始めればいいか分からない…という方も、ご安心ください。最適なLED化プランが見つかるはずです。

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直管蛍光灯からLEDへ交換!3つの方法と特徴、電気工事の有無を解説

直管蛍光灯をLEDに交換する方法は、大きく分けて以下の3つの方法があります。
それぞれの特徴を理解し、ご自身の状況に合った方法を選んで下さい。

①【電気工事が必要】蛍光灯照明器具をまるごとLED照明器具へ取り替え

既存の蛍光灯器具をすべて取り外し、新しいLED照明器具に交換する方法です。3つの方法の中では初期費用が最も高くなりますが、安全性、省エネ効果、デザイン性など、総合的に見て最も優れた方法と言えます。

まるごとLED照明器具へ取り替えた工事事例

蛍光灯照明器具からLED照明器具への交換工事の施工前後の比較写真

メリット

初期費用を大幅カット

LED照明器具が全て新品になるため、従来の蛍光灯器具にありがちな経年劣化の心配がなく、長期間安心して使用できます。また、LEDライトバー自体も長寿命ですので、ランプ交換の頻度を大幅に減らすことができ、メンテナンスコストの削減にも繋がります。

工事期間を短縮

既存の蛍光灯器具を一切使用しない器具交換方式は、バイパス工事で懸念されるソケット(ランプを固定する部分)の破損、配線の接触不良による事故リスクを根本から排除します。安全性を最優先に考えるなら、器具交換がおすすめです。

省エネ効果が高い

最新のLED照明器具は、従来の蛍光灯器具と比べて、大幅に消費電力が削減されていますので、電気代の大幅な節約に繋がります。

デメリット

初期費用が最も高額

LED照明器具本体の購入費用、交換工事費用、そして既存の蛍光灯器具の運搬・処分費用がかかるため、バイパス工事と比較すると、初期費用はどうしても高額になります。しかし、長期的な視点で見ると、電気代の削減やメンテナンスコストの軽減により、十分に費用を回収できるケースがほとんどです。

②【電気工事が必要】安定器バイパス工事 (既存器具利用)

既存の蛍光灯器具を流用し、安定器をバイパス(配線変更)工事してLEDランプを取り付ける方法です。近年では器具交換と同等の省エネ性能を持つLEDランプも登場しており、初期費用を抑えたい場合に有効な選択肢です。ただし、長年使用した蛍光灯器具は、ソケットや配線が劣化している可能性があり、安全性は器具交換に比べ劣るため、注意が必要です。

安定器バイパス工事によるLED化事例

LEDバイパス工事の施工前後の比較写真

メリット

初期費用を大幅カット

既存の蛍光灯器具を流用するため、LEDランプの購入と工事費用で済み、初期費用を抑えることが可能です。特に、埋込型器具や高所作業など、器具交換に手間や追加費用がかかる場合、バイパス工事はコスト面でメリットがあります。
場合によっては適合するLED照明器具が見つからず、器具交換自体が高額になるケースもあり、そのような状況ではバイパス工事が現実的な選択肢となります。

工事期間を短縮

照明器具本体の交換が不要なため、工事時間を大幅に短縮できます。営業中の店舗や、操業を止められない工場など、工事時間を最小限に抑えたい場合に有効です。

デメリット

器具の劣化に注意

長期間使用した蛍光灯器具は、ソケットや器具内の電線が劣化している可能性があります。そのまま使用すると、LEDランプの落下や接触不良による不点灯などのトラブル、最悪の場合は漏電や火災のリスクも。事前に器具の状態をしっかり確認し、必要に応じて交換も検討しましょう。

大手メーカー製LEDランプは非対応

パナソニックや東芝などの大手照明メーカーは、蛍光灯器具に直接取り付けられるG13口金のLED直管ランプを販売していません。これらのメーカー製の直管LEDランプは、口金形状が異なるため使用できません。バイパス工事に対応したLEDランプは、コイズミ照明やオーデリックなど、一部の国内メーカーから販売されていますので、対応製品を選びましょう。

【工事不要LEDランプ】交換はグロースターター式限定!注意点も解説

「工事不要」で手軽に交換できるLEDランプも市販されています。しかし、蛍光灯は「安定器」と呼ばれる装置で点灯を制御しているため、LEDランプに交換するだけでは安定器がそのまま残ってしまいます。古い安定器は故障のリスクや、安全上の懸念があるため、注意が必要です。
※ラピッドスタート式(FLR)やインバーター式(Hf)に対応した工事不要LEDランプも一部販売されていますが、品質にばらつきがあり、耐久性に欠ける製品も多いため、おすすめできません。

【注意】安定器は蛍光灯を安全に点灯するための装置

工事不要のLEDランプは、既存の蛍光灯器具の古い安定器を使い続けることになります。劣化した安定器は、故障の原因となるだけでなく、発熱や発火といった事故を引き起こす可能性もあります。これらのリスクを十分にご理解いただいた上で、交換をご検討ください。

蛍光灯照明器具の安定器。耐用年数は15年程です。
蛍光灯の安定器の画像。工事不要のLEDランプはこの安定器を使用して点灯させることになる。

メリット

工事不要で簡単

電気工事士の資格が不要で、誰でも簡単に交換できます。

手軽に導入可能

既存の蛍光灯器具をそのまま使えるため、ランプを交換するだけでLED化できます。

初期費用が安い

工事不要のLEDランプは、ランプ本体の価格が手頃な上、交換工事も必要ないため、導入時の費用負担を最小限に抑えることができます。

デメリット

適合器具の確認が必須

直管蛍光灯には、グロースタータ式(ランプ表記:FL)、ラピッドスタート式(FLR)、インバーター式(FHF)の3つの種類があり、それぞれ適合するLEDランプが異なります。誤った種類のランプを使用すると、不点灯や故障、最悪の場合は火災の原因にもなりますので、必ず安定器に記載されている適合ランプをご確認ください。

※注意:ランプの見た目だけで判断するのは危険です。以前のランプ交換で、本来とは異なる種類の蛍光灯が取り付けられている可能性も。安定器の適合ランプ種類を確認したほうが確実です。

安定器の電力消費

工事不要LEDランプは、既存の蛍光灯器具の安定器をそのまま使用します。安定器はLEDランプ点灯時にも電力を消費し続けるため、バイパス工事を行った場合に比べて、省エネ効果が低くなります。安定器の消費電力は約3W~5Wです。

品質にばらつきがある

大手国内照明メーカーからは、工事不要のLEDランプは販売されていません。主にインターネット通販などで販売されていますが、製品の品質にはばらつきがあり、中には品質や安全性が十分に確認できない製品も見受けられます。

など、品質に関する問題が報告されています。

工事が不要なLEDランプの確認事項と注意点

『工事不要』と謳われているLEDランプは、既存の蛍光灯器具にそのまま取り付けられるため、手軽にLED化できるのが魅力です。しかし、組み合わせを間違えた使用は危険なため、ここでは工事不要のLEDランプへ交換する前に、必ず確認すべき点と注意点を解説します。

工事不要を謳うLEDランプの中には、インターネット通販サイトなどで「すぐに点灯しなくなった」「焦げた」といったレビューが一定数見られるのも事実です。もちろんレビューだけで不良品の割合を判断することはできませんが、私自身、これまで10,000台を超えるLED照明器具への交換やバイパス工事を手掛けてきた中で、そのような不具合の報告を受けたことは一度もありません。安全性が何よりも重要です。初期費用だけでなく、長期的な視点での安全性も考慮して、慎重にLED化の方法を選ぶことをおすすめします。

確認事項1:蛍光灯の種類をチェック!

現在お使いの蛍光灯の種類を確認しましょう。直管蛍光灯には、主に以下の3つの種類があります。
ランプ種類は蛍光灯に記載されている品番から判断できます。

【注意】安定器は蛍光灯を安全に点灯するための装置

工事不要のLEDランプは、既存の蛍光灯器具の古い安定器を使い続けることになります。劣化した安定器は、故障の原因となるだけでなく、発熱や発火といった事故を引き起こす可能性もあります。これらのリスクを十分にご理解いただいた上で、交換をご検討ください。

蛍光灯の種類はランプで確認できます

蛍光灯の種類は、FL、FLR、FHF の3種類があります。画像には、FL40SSEX-N/37、FLR40SEX-N/M-X・36、FHF32EX-N-H のような型番が記載された蛍光灯が写っており、口金付近で確認できます。FL はグロースターター式、FLR はラピッドスタート式、FHF はインバーター式で、それぞれ点灯方式が異なります。

確認事項2:安定器の確認が最も重要

現在ご使用中の蛍光灯ですが、過去のランプ交換で、本来とは異なる種類の蛍光灯が取り付けられている可能性もあります。そのままLEDランプに交換すると、安定器との組み合わせが合わず、不点灯や故障の原因となることも。必ず照明器具のカバーを外し、安定器に記載されている適合ランプの種類を確認しましょう。

【注意】照明器具のカバーを外すと、内部の配線など、感電の危険がある箇所が露出している場合があります。作業は必ずブレーカーで電源を切り、安全に十分注意して行ってください。

安定器には仕様の合うランプ種類が記載されています

蛍光灯安定器の確認方法。安定器の銘板に記載されている型番や適合ランプを確認しましょう。

工事不要のLEDランプ交換は、ご自身での確認事項が多く、製品選びも難しい場合があります。少しでも不安を感じる場合は、電気工事業者にご相談ください。

直管蛍光灯のLED化、業者に頼むと費用はいくら?【相場を解説】

こちらの写真は、事務所や店舗で最も普及している「屋内天井直付けタイプ、40W 2灯」の直管蛍光灯器具です。このページでは、このような蛍光灯器具をLED化する際に、電気工事業者に工事を依頼した場合の費用相場について、交換方法別(器具交換・バイパス工事)について解説します。

40W 2灯 直付け蛍光灯器具のLED化 施工後 (器具交換およびバイパス工事)

以下の条件を満たす、一般的な作業環境での費用目安とお考えください。

一般的な作業環境とは、
  • 天井高:3m以内 (脚立作業範囲内)
  • 屋内作業
  • 簡易養生で施工可能 (薬品・食品工場などを除く)
  • 足場設置が不要
  • 工事時間帯:日中 (8:00~17:00)
※ 以下のようなケースでは、追加費用が発生する、または別途お見積もりが必要となる場合があります。
  • 天井埋込型器具
  • 屋外用 (防湿防雨型) 器具
  • 特殊環境用器具 (低温、高温、防爆など)
  • その他、特殊な工事が必要な場合

【器具交換】LED照明器具へ交換する場合の費用相場

【施工事例】蛍光灯からLED照明器具へ交換 (交換前後の比較)

蛍光灯照明器具からLED照明器具への交換工事の施工前後の比較写真

上の写真のような、天井直付けタイプの40W 2灯蛍光灯器具を、明るさが同等のLED照明器具へ交換する場合、工事費用 (LED照明器具本体、交換工事費、既存器具の処分費、諸経費など全て含む) の目安は以下の通りです。

1台:22,000(税込)

10台:165,000(税込)

※上記は、天井高3m以内、脚立での作業が可能な屋内環境を想定した費用です。高所作業や特殊な工事が必要な場合は、別途追加費用が発生する可能性があります。正確な金額は、現地調査の上でのお見積りとなります。

【バイパス工事】安定器バイパス工事の場合の費用相場

【施工事例】安定器バイパス工事によるLED化 (交換前後の比較)

LEDバイパス工事の施工前後の比較写真

上の写真のような、事務所や店舗でよく使われている天井直付けタイプ・40W 2灯の蛍光灯器具を、明るさが同等のLED化をする際に、既存器具を活かして安定器バイパス工事を行う場合の工事費用 (LEDランプ、バイパス工事費、既存蛍光灯の処分費、諸経費など全て含む) の目安は以下の通りです。

1台(2本):16,500(税込)

10台(20本):121,000(税込)

※ 上記は、天井高3m以内、脚立での作業が可能な屋内環境を想定した費用です。高所作業や特殊な工事が必要な場合は、別途追加費用が発生する可能性があります。正確な金額は、現地調査の上でのお見積りとなります。

まとめ

直管蛍光灯のLED化、迷ったらプロに相談

今回は、直管蛍光灯をLEDに交換する際の方法、費用、注意点などについて解説しました。 LED化には、

の3つの方法があり、それぞれにメリット・デメリット、そして費用相場が異なることをご理解いただけたかと思います。
しかし、

「結局、自分の場合はどの方法が良いのか分からない…」

「工事不要のLEDランプを使いたいけど、本当に大丈夫…?」

「費用がどれくらいかかるのか、正確な金額を知りたい!」

など、様々な疑問や不安が残る方もいらっしゃるかもしれません。
特に、蛍光灯の種類や安定器の見分け方、適合するLEDランプの選び方、そして安全に関する注意点など、専門的な知識が必要となる場面も多く、素人判断では難しいケースも少なくありません。
そんな時は、無理にご自身で判断しようとせず、電気工事の専門業者にご相談ください。


この記事を書いた人
株式会社電恵 代表取締役 岸 元気
岸 元気電気工事士
株式会社電恵代表。
電気工事施行管理20年の経験
保有資格:第一種電気工事士、1級電気施行管理技士。
電気工事の経験20年、独立後は自力で作成したホームページ集客のみで法人設立後も3年間黒字を維持。